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日米の教育事情 〜安定した現実的な将来をイメージする子供
米日教育交流協議会
大きな夢を持って世界に羽ばたいてほしい
40歳くらいになった時は、「親を大切にしている」「幸せになっている」「子供を育てている」「自由にのんびり暮らしている」といった、身近で現実的な将来をイメージする子供が学校段階を問わず6〜8割程度いる。一方で、「世界で活躍している」「有名になっている」と夢のある将来をイメージする子供は2割を下回る。 これは、ベネッセ教育研究開発センターが実施した「第2回子供生活実態基本調査|小4生〜高2生を対象に 速報版」に掲載されているアンケート結果(2009年調査)による分析です。 また、なりたい職業が「ある」という子供も5年前の調査に比べて減少しています。特に高校生は、04年では66・8%と小学生や中学生を上回っていたのに、今回の調査では50・6%と大幅に減少しています。中学生も54・2%(前回62・0%)、小学生は58・1%(前回63・4%)と軒並み減少しています。これは、子供の将来の職業に対する関心が希薄になってきていることを裏付けています。 一番なりたい職業を集計した「職業ランキング」の上位三つを上から順に列挙すると、小学生男子が「野球選手」「サッカー選手」「医師」、小学生女子が「ケーキ屋さん・パティシエ」「保育士・幼稚園の先生」「芸能人」、中学生男子が「野球選手」「サッカー選手」「芸能人」、中学生女子が「保育士・幼稚園の先生」「芸能人」「ケーキ屋さん・パティシエ」であるのに対して、高校生男子は「学校の先生」「公務員(学校の先生・警察官などは除く)」「研究者・大学教員」、高校生女子は「保育士・幼稚園の先生」「学校の先生」「看護師」となっています。 また、5年前と比較すると、男子では小中高生ともに「芸能人」が順位を上げ、中学生男子では「調理師・コック」「研究者・大学教員」「コンピュータープログラマー・システムエンジニア」「大工」が、高校生男子では「コンピュータープログラマー・システムエンジニア」が順位を上げています。一方、小中学生女子は「デザイナー・ファッションデザイナー」が、高校生女子では「芸能人」が順位を上げています。 この結果から、小中学生は自分の趣味や好みに直結した職業や憧れ的な職業になりたいのに対して、高校生は景気の変化に左右されにくい安定した職業に目が向いていることが分かります。やはり、年齢が上がるにつれ、現実的な将来をイメージしているのです。 この背景には長引く不況の影響で子供が大きな夢を思い描けなくなっていることがあるとも考えられますが、生まれながらに豊かな現在の生活に満足し、チャレンジ精神を失っているということも考えられます。自分の可能性を試したいという上昇志向がないことは子供の成長を抑制し、それは社会の発展の障害にもなり得ます。また、海外に暮らしている私は、「世界で活躍している」という将来をイメージしている子供が少ないことを残念に思います。文部科学省の調査結果によると、留学や語学研修のために海外で生活する高校生の数が減少しているそうです。海外は昔よりもずっと身近になっているのですから、世界に羽ばたくという夢を持った子供が増えることを心より願っています。 |
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「週刊ビジネスニュース」 2010年3月27日号掲載
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