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日米の教育事情
米日教育交流協議会
未来の日本の担い手に必要な資質を育む
文部科学省の新学習指導要領が、2011年度から小学校で、2012年度から中学校で、2013年度から高等学校で施行されます。新学習指導要領では、教育基本法の改正等を踏まえ、子どもたちに「生きる力」を育むことを目指し、言語活動、算数・数学や理科教育、道徳教育、体験活動、外国語教育などの充実が図られています。 まず、各種の国際調査で学力が落ちているとされる算数・数学、理科については、既に前倒し実施が始められました。現行の学習指導要領より教える内容が増加し、現行の教科書をカバーする補助教材も配布されています。これらの教科は授業時間数も増加していますが、海外の補習校においては授業時間数を増加することはほぼ不可能です。従って、補習校の先生方は大変苦慮されておられるようです。 今回の学習指導要領の改訂は、受験戦争を緩和するため「ゆとり教育」を目指した従来の学習指導要領が、公教育での学力低下を生み出し、受験希望者の塾通いを助長し、結果として子どもの学力が二極分化したことに対する反省が組み込まれています。確かに、学力低下は少子化とも相俟って、各教育機関で深刻な問題となっています。この新学習指導要領で学力低下に歯止めがかかることを期待しています。 新学習指導要領のもう一つの特徴は英語教育の充実です。小学校高学年で「外国語活動」の時間が設けられました。教科とは位置付けられてはいませんが、総合的な学習の時間とは別に週1回、年間35時間を確保することが定められています。中学校においては、身近な事柄について一層幅広いコミュニケーションを図ることができるようにするため、授業時数が各学年とも年間105 時間から140 時間に増加されるとともに、指導する語数も従来の「900語程度まで」から「1200 語程度」へと増加されます。高等学校においては、英語に関する各科目について、その特質にかんがみ、生徒が英語に触れる機会を充実するとともに、授業を実際のコミュニケーションの場面とするため、授業は英語で行うことを基本とすると定められています。 ここアメリカに暮らしていると、他の外国人と比較して日本人の英語でのコミュニケーション・スキルが劣っていることを痛切に感じます。ますますグローバル化が進む国際社会における新しい担い手となる子どもに対する英語教育の充実は必要不可欠です。 道徳教育については、教育基本法の改正時にも議論の的になりましたが、最近報道されている事件の経緯を考えると、保護者に問題のあるケースも目立ち、家庭教育に全面的に道徳教育を任せることは危険であり、学校の果たす役割は大きいのではないかと思います。 このように、新学習指導要領は、現代の日本の社会が抱える課題を全うし、未来の日本の担い手を育むという使命を持っています。日本に明るい未来が訪れることを願っています。
米日教育交流協議会(UJEEC)・代表 |
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~「週刊ビジネスニュース」 2009年4月24日号掲載
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