日米の教育事情

〜補習校の学校行事のメリット

 

 米日教育交流協議会
代表 丹羽筆人

  

学校行事は日本語と日本文化の習得に重要

  

 5〜6月は米国の学校の卒業シーズンです。米国の卒業式は日本とは全く雰囲気が異なっています。卒業証書授与も厳粛な儀式ではなく、会場から歓声が上がったり、口笛が鳴ったりすることもしばしばです。スピーチの内容もユーモアを交えて笑いを取るようなものだったりもします。米国の卒業式を経験している子どもたちは、日本式で行う補習校の卒業式に、違和感を持っていると見受けられます。しかし、これが日本の文化だと実感しているようです。

 ところで、補習校では5〜6月に運動会を行う学校が目立ちます。この時期に行うのには、新しいクラスの結束を固めようという狙いもあります。運動会は卒業式とともに、日本の学校文化を象徴する行事です。ただし、補習校の運動会が日本の学校と異なっている点は、週1回の学校なのであまり練習ができないこと、会場の設営や競技の実施は保護者が中心になって行われることなどです。保護者が平日に仕事を休み、ボランティアで運動会の準備をされている姿には本当に頭が下がります。

 このように、補習校では日本の学校行事が行われていますが、そのメリットは多数あります。

まず、教科書では学べない言葉や文化を肌で感じることができます。運動会で行う競技の多くは、米国には見られないものですし、ラジオ体操も日本の文化の一つです。表彰状や卒業証書を受け取るときの礼儀作法も日本独特のものでしょう。

また、1週間に1回しか会えないクラスメートと仲良くなるきっかけとなります。運動会では、一緒に走ったり応援したりすることで親近感が高まりますし、日本語で大きな声で歓声を上げることは、自信を持って日本語を話すことにもつながります。

さらに、年齢差のある子どもたちが一緒に活動することによって、お互い良い経験ができます。補習校の学校行事では、中高生がお手伝いをしたり、幼稚園児や小学生が中高生の活動を見たりする機会もあります。このように幅広い学年で行われる学校行事では、年長者が年少者の面倒を見たり、年少者が年長者の活躍する姿を見て将来の目標としたりすることができ、それらが子どもの成長に大いに役立っています。

補習校の学校行事は日本語や日本文化の習得のみならず、子どもの成長にとっても大切な働きがあるのです。

                       

                 「週刊ビジネスニュース」 2010年6月26日号掲載

                                

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