海外で暮らす子どもたちの教育

〜日本での日本語・日本文化体験学習サマーキャンプ便り(その1)

 

米日教育交流協議会
代表 丹羽筆人

 

子どもたちの口から自然に日本語が出る環境がそこにある

 米日教育交流協議会の主催する「サマーキャンプ in ぎふ」が始まりました。7月4日夕方、集合場所のJR東海道線穂積駅(岐阜県瑞穂市)に現れた第1期の参加者は、全米各地や香港からやってきた小中学生12名です。見送りの保護者との別れは寂しそうでしたが、これからの2週間への期待と新しい仲間に出会えた喜びが不安をかき消していたようです。キャンプ開催地の揖斐川町までは車で約1時間。トンネルを二つ越します。つまり、かつては二つの峠越えをしなければならなかった地です。

 到着したのはこのキャンプでの宿泊場所の一つ「ラーニングアーバー横蔵」です。この施設はかつて小学校だった建物を利用しています。過疎化が進み廃校となってしまったのです。外観や廊下、各部屋の扉などは学校そのものですが、元職員室の食堂、元教室の客室、元理科室の浴室は旅館のようです。各部屋に荷物を置くや否や子供たちが駆け込んだのは体育館です。早速バスケットボールや卓球に汗を流し、初対面であることを感じさせないほど打ち解けていました。

 翌日は開会式。日本での受け入れコーディネーターの「NPO法人・校舎のない学校」の方々、宿泊施設の代表者、ホームステイのホストファミリーの皆さんが集まり、歓迎の言葉やお互いの自己紹介を行ないました。開会式終了後はホストファミリーに伴われて各家庭に向かい、3泊4日を過ごしました。優しいホストファミリーのお父さんやお母さん、おじいさんやおばあさんに囲まれ、子どもたちとは兄弟のようにはしゃいで、日本の家庭の雰囲気を満喫しました。ホームステイ後はそれまで日本語をあまり話さなかった子どもたちの口からも自然に日本語が出ていました。

 楽かったホームステイが終わるといよいよ学校体験の始まりです。地元の小学校・中学校は、1学年1〜2クラスの小さな学校です。全校の児童・生徒が海外の子供たちが来ることを待ち望んでいたようです。歓迎の嵐に遇った子どもたちは恥ずかしそうにしていましたが、内心はとても嬉しかったようです。この学校体験では、海外の子どものために特別にアレンジした内容ではなく、日本の子どもが日常的に受けている授業はもちろん、給食や掃除、部活動などにも参加します。日本語に自信のない子どもには授業は少し難しかったようですが、学校から帰ると自ら進んで宿題に取り組んでいる姿を見て本当に感心しました。

 学校生活での参加者の一番の楽しみは休み時間です。なぜならば、同年代の関心がある話題での情報交換ができるからです。あっという間に過ぎた1週間でしたが、海外の子どもにとっても日本の子どもにとっても、異文化に暮らす同年代の子どものライフスタイルや考え方を知ることは貴重な経験になったようです。このように小中学生同士の自然な交流を通じてお互いの文化を吸収しあうことが真の国際交流だと改めて感じました。(次号に続く)

 

                           ~Weekly Business News 2007年7月20日号掲載

 

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