海外で暮らす子どもたちの教育

〜日本での日本語・日本文化体験学習サマーキャンプ便り(その3)

 

米日教育交流協議会
代表 丹羽筆人

 

環境が子どもたちを変え、現代っ子が自然児に

 米日教育交流協議会の主催する日本での日本語・日本文化学習プログラム「サマーキャンプ in ぎふ」第1期が7月4日から18日までの2週間にわたり開催されました。今週もサマーキャンプ便りをお伝えします。

 古民家「かやぶきの家」の周りは自然がいっぱいです。そして、家の前の小川は子どもたちにとって楽しい遊び場となりました。最初は足をぬらしたり、手を突っ込んだりして遊ぶだけだった子どもたちは、ものを流す楽しさを見つけ、木の枝や木切れを流し、それを追いかけるという遊びを生み出しました。さらに、思い思いに小枝や葉っぱを利用して舟(のようなもの?)を作って競争させて楽しむようになり、舟を追いかける子どもたちの歓声が、静かな里山に響き渡っていました。

 また、「だるまさんがころんだ」や「かごめかごめ」などの、伝統的な遊びを知っている子どもがおり、自然にそれらの遊びに興じる子どもたちの姿も見られました。日本では小学校高学年にもなるとこのような遊びをする子どもも少ないですが、中学生も含め、純真な笑顔を見せて遊ぶ姿をとてもほほえましく思いました。日頃はテレビを見ながらゲームやパソコンで遊ぶ子どもたちからは想像のできない姿です。また、遊びを生み出す独創性、年齢差を超えて楽しめる協調性に感心させられました。「現代っ子」だって環境が変われば昔のように遊べるのだということを実感しました。

 ところで、小川での遊びは楽しいだけではすみませんでした。ある時、近所の農家の方が子どもを叱っている声が聞こえたのです。あわてて駆け寄って事情を聞いてみると、田んぼに水を引くために小川の水を堰き止めていた板を抜いてしまったようです。小川の流れが緩やかになり舟が流れにくくなったから抜いたとのこと。実は、この小川は農業用水として使われているのです。それだけでなく、野菜やお米、食器、農具を洗ったり、飲み物や食べ物を冷やしたり、というように生活にも利用されています。かつては料理や飲み水として、また洗濯にも利用されていたのです。上流の家では下流の家が利用することを考え、炊事の時間には洗い物をしないように心がけていました。このように自然を利用して人々の暮らしが成り立っていることを、子供たちが身を持って実感したできごとでした。

 古民家生活体験では、地元に暮らす方が講師となって指導してくれる工芸体験、食事を子どもたちが作る自炊体験も行なわれました。今回の講師は元村長さん。方言混じりの日本語での指示に従い、真剣にガラス細工や木工に取り組んでいました。自炊体験は初めて料理を作るという子どもも多く、とても貴重な体験となったようです。食器の後片付けをする習慣はこのキャンプを通じて徹底しましたが、料理を作ったり、後片付けや食器洗いも自分たちで行なったことは、子どもたちにとっては大変でしたが、とても楽しかったようです。そして、皆が毎日この仕事をしてくれるお母さんの大切さを感じることができました。

 次回は子どもたちに人気の高かったスポーツクラブとの交流体験の報告と、総括を行ないたいと思います。 

 

                           ~Weekly Business News 2007年8月3日号掲載

 

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