日本の教育事情

〜変わり行く公教育の現場(小学校)

 

米日教育交流協議会
代表 丹羽筆人

 

理不尽な親の要求に四苦八苦する教師たち。その一方で問われる指導力。

 日本での日本語・日本文化学習プログラム「サマーキャンプ in ぎふ」の実施のため、約1ヵ月半にわたり日本に滞在しました。今回は、その際に見聞きした話の中で、印象に残った日本の教育の現状について述べさせていただきます。

 最近の日本の学校の先生は大変苦しい立場に置かれています。特に保護者の多種多様な要求に応えることには四苦八苦するようです。教科学習に力を入れて欲しい、子どもが楽しく過ごせるよう一緒に遊んで欲しいというのは普通の要求であり、これらを両立して楽しく効果的な授業を行なうこと、学びと遊びのメリハリをつけ集中力を養うことは教師として当然の務めです。しかしながら、自分の子どもにしか考えが及んでいない親もおり、先生が質問に答えてくれなかったとか、○○さんだけをかわいがっているなど、子どもの話を鵜呑みにして学校に訴える。また、問題児(かつては元気のいいガキ大将のレベル)がいるのでクラス替えをして欲しいとか、その子を転校させて欲しいなどという要求までもあるそうです。

 また、自分の子どもを目立たせたいのか、親の趣味なのかは分かりませんが、他の子とは違った格好をさせるというケースもあります。公立小学校には服装に関する規制がないところが多いですが、規則がないことをいいことに学校に相応しいとは思えない格好をする、髪型も芸能人風にするなどの動きが目立っています。私も日本の小学生を見て、おしゃれになったなと実感しました。一方で、規則があってもそれを守ろうとしない親もいるそうです。スクール水着といえば紺色の質素なデザインのものですが、少しフリルがついたもの、ワンポイントの模様があったり、少しだけデザインが違うものを用意する。そして学校側がそれを指摘すると事前の説明が悪い、いまさら買い直せというのかと詰め寄ってくるということもあるそうです。

 水着の話が出ましたので、学校の夏休み中のプールの利用方法が様変わりしていることについて触れましょう。かつては、特定期間を除き午後の時間に開放されており、自由に利用することができました。私もほとんど毎日のように友人を誘って通った記憶があります。しかし、現在では学年ごとに決められた曜日や時間帯にのみしか利用することはできません。また、プール内でも泳ぐ方向や泳ぎ方などが定められ、自由に遊ぶということはできないところもあるそうです。この背景には、多発している水難事故や通学途中での誘拐事件があります。事故があれば学校側に責任がかかってきますので仕方ないですが、子どもたちも自由を奪われている気がします。

 これはほんの一例ですが、このように規則によって自由を奪い、その上で子どもを統制しようというような動きが学校内に見られています。その背景には教師の指導力の低下もあるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。 

 

                           ~Weekly Business News 2007810日号掲載

 

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