日米の教育事情

〜帰国生入試合格のための心構え

 

 米日教育交流協議会
代表 丹羽筆人

  

日本の教科書での学習と親子での会話が効果的

 

いよいよ2010年も残りひと月です。11年度の帰国生入試も、大学では、私立のほとんどと約半数の国公立の入試が終了しています。高校や中学は、年明けに入試のピークを迎えますが、早いところでは既に11月から実施されています。

北米の場合は、多くの子どもが現地校で学習しています。しかし、帰国生入試では日本語での学力が求められることが多く、日本語力に伸び悩みが見られる子どもは苦労します。帰国生といっても、入学後には日本の子どもたちとともに日本語で学習することになるのですから当然です。補習校や学習塾も有効に利用して日本語学習を継続する必要があります。

一方、帰国生入試では、英語力を重視する学校もあります。TOEFLやTOEIC、SATのスコアや英検合格などを求めたり、英語の筆記試験や英語での作文や小論文のみ実施したりします。このような入試では、英語力が合否に大きく影響しますが、作文や小論文は日本語で課されることもありますし、日本語での面接が実施されることも少なくありません。そして、英語重視の入試で合格して入学した場合でも、入学後は日本の子どもたちとともに日本語で学習することになります。どんな入試であれ日本語学習は重要なのです。

日本語学習で重要なことは、「読む」「書く」「聞く」「話す」ことを、同学年の子どもと同じようにできるようにすることです。このためには、日本の学校の教科書で学習することが大切です。教科書をすらすら読めて内容が理解できること、教科書内の漢字や語句を使って文章が書けること、教科書に掲載されている内容をテーマにした発表や話し合いができることが必要です。

さらに、帰国生入試で重要なのが面接、そして作文や小論文です。帰国生は各々異なった環境で育ったために個性的な子どもが目立ちます。外国語が得意で異文化に精通した国際感覚豊かな帰国生を学校側が求めているのは確かですが、学校での学習についていけるのか、学校生活に適応できるのかという点も重要です。つまり、試験官にとっては、後者は大いに気になる所です。入試までに日本的な礼儀作法や受け答えの仕方を習得しておくことが必要です。面接で聞かれる質問や作文・小論文に盛り込みたい志望動機や入学後の抱負、将来の進路、滞米中の体験なども、自分で表現できるようにまとめておく必要があります。これらの対策は入試直前の付け焼刃的なものでは不十分です。日常的に家庭内にて親子で会話することをお勧めします。

 

 

「Weekly Biz」 2010年11月27日号掲載

                                

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