日米の教育事情

〜受験期の子どもと接する親の心構え

 

 米日教育交流協議会
代表 丹羽筆人

 

子どもに介入し過ぎず、支えることが大切

 大学入試センター試験が終了し、いよいよ受験シーズンの到来です。

 帰国生大学入試においては、4月入学の入試は昨年9月から始まっており、ほとんどの私立大学ではすでに終了しています。国公立大学も2月下旬に実施される数大学を残すのみとなっています。そして、帰国生の中学入試と高校入試はこれからが本番です。

 こんな時期ですから、受験生を抱える保護者の皆さまは、落ち着かない日々をお過ごしのことと思います。受験期にどのように子どもと接すればよいのかという点は、特に初めて受験を経験する親御さんにとって頭の痛い問題でしょう。

 自分自身がよく分からないので、つい不安になり、子どもの成績や勉強の仕方が気になってしまうということはよくあることです。しかし、親が介入することは、子どもにさらなるプレッシャーを与えることにもなりかねません。

 例えば、模擬試験などの成績が下がったことで怒ったり、ショックを受けて落ち込んだりすることはよくありません。そのような態度は、子どもにとってまさに傷口に塩です。また、子どもの勉強中に頻繁に様子を見に行ったり、声を掛けたりするのも避けた方がよいでしょう。「勉強しなさい」と言われることは、受験生にとってあまりうれしくない言葉の一つですが、「がんばれ」という励ましの言葉もあまりよくありません。今、がんばって勉強しなければいけないことは、子ども自身も十分自覚しているからです。

 では、子どもにとっては、親のどのような接し方がよいのでしょうか。子どもは、親がさりげなく支えてくれ、安心感を与えてくれることを望んでいるのです。受験のストレスや成績不振による愚痴を聞いてあげたり、子どもの意見を尊重した上で、的確なアドバイスをしてあげたりするのがよいでしょう。

 また、受験期間中は、受験する学校のことを話題に取り上げ、親子間で会話することをお勧めします。帰国生入試の場合、中学、高校、大学のほとんどの学校で面接が課されます。そして、この面接が合否において入試科目の一つに相当するほど大きな影響があるのです。面接では、入学後に適正な学校生活を送れるかどうかを判断するために、志望理由や入学後の抱負、将来の進路などについて聞かれます。これは、受験する学校のことを十分調べ、しっかりと考えておかなければ、緊張する面接会場できちんと答えられるものではありません。しかし、日常的に親子で話題にしていれば、スムーズな受け答えができるものです。ほかにも、家族のことや親の仕事について聞かれることもありますが、日ごろから親子間で会話していれば問題なくこなせるでしょう。

 これら以外にも、親子間の会話は、日本語で会話する機会の少ない在外子女にとってボキャブラリーを増やし、表現力を向上させるのに効果があります。また、敬語を使えるように教えてあげるのもよいでしょう。

 さらに、中学入試や高校入試では、保護者面接が課されるところもあります。その場合は、親御さん自身の受験対策も必要です。

 受験は子どもにとっても親にとっても大変ですが、親子が一丸となって乗り切り、志望校の合格を勝ち取られることを願っています。 

                       

                 「週刊ビジネスニュース」 2010年1月24日号掲載

                                

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